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生成AIの企業最新導入事例まとめ!導入効果・導入方法がわかる徹底解説

 

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近年、ChatGPTやGeminiなど生成AIツールが次から次へと登場し、あらゆる業界で導入が進んでいます。しかし、実際に自社に導入するとなると、「本当に導入効果は得られるのか?」「どのように活用できるのか?」といった疑問が生じる方もいるでしょう。

そこで本記事では、実際に企業で生成AIを導入した事例を解説します。実際のビジネスシーンで得られる効果や導入方法、導入にかかる費用の検討方法が具体的に見える内容となっています。

ビジネスでの生成AIの活用を本格的に検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。


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1. 生成AIの主なビジネス用途


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生成AIは、主にディープラーニングを基盤とし、膨大なデータをもとにテキストや画像、コードなどを自動生成するAI技術の一種です。

具体的に、生成できる内容から以下のカテゴリに分けられます。

  • テキスト生成AI:文章やレポート、チャットボットの会話文などを生成
  • 画像生成AI:テキスト指示や画像からイラストやデザインなどを生成
  • 音声生成AI:テキスト指示や音声から感情豊かな音声(多言語も含む)を生成
  • 動画生成AI:テキスト指示や画像から動画を生成

近年は、テキストと画像両方を扱えるGoogleのGeminiのように、マルチモーダルな生成AIも登場しています。


また、生成AIの用途は幅広く、以下のような分野で活用が可能です。

  • マーケティング・広告:広告文や動画の自動生成
  • カスタマーサポート:自動応答やFAQの生成
  • データ分析・レポート作成:ビッグデータからインサイトを抽出し、レポートを自動生成
  • クリエイティブ業務:デザインやコンテンツのアイデア出し、制作の初期段階を支援

生成AI一つで、マーケティングからカスタマーサポート、クリエイティブまで、幅広い分野における業務の自動化を実現できます。

 

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2. 生成AIの最新ビジネス導入事例11選


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ここでは、生成AIの最新ビジネス導入事例を紹介します。

 

・業務特化型の生成AIで業務効率化を実現(サーキュレーション)

プロ人材の経験や知見を駆使し企業の課題解決を支援する株式会社サーキュレーションでは、営業部門において顧客理解のための情報整理やデータ処理、情報検索に多くの時間を費やしていました。

また、バックオフィスでは毎月数百件に及ぶ社内問い合わせへの対応が求められるなど、非効率な業務プロセスが大きな課題となっていました。

そこで、業務の効率化を図るために、Allganize Japan株式会社が提供するオールインワン生成AI・LLMアプリケーションプラットフォーム「Alli LLM App Market」に問い合わせを行い、社内での実証実験を開始しました。

その結果、営業部署では自発的に生成AIアプリの作成・カスタマイズが進み、業務の効率化が実現されました。また、トークスクリプトのチェックなど教育・研修の補助ツールとしても役立っています。

導入費用についても、ユーザー数無制限のライセンス体系で初期費用30万円、ランニング費用月額30万円〜と、スケールしやすい柔軟な価格設定が導入を後押ししたようです。

参考:■導入事例■【サーキュレーション様】データプライバシーを担保しながら、数十個の生成AIアプリをリリースし飛躍的な生産性向上を実現

 


・生成AIチャットボットで社内ITヘルプデスクをサポート(オプテージ)

関西電力グループの株式会社オプテージは、全従業員約2,900人を対象とした生成AI環境「OPTAGE Generative AI Chat」を2023年7月に導入しました。

そして、社内におけるナレッジ検索のニーズが高まる中で、社内ITヘルプデスク向けに生成AIチャットボットを活用したPoCで、以下のポイントが明らかになりました。

  • 生成AIチャットボットの活用にはドキュメントやFAQの取り込みが必要
  • 回答の精度向上には正確なプロンプトの作成が必要

上記の技術的な課題に対応するために、同社は生成AI活用の技術支援としてクラスメソッド株式会社に依頼し、より高度な運用を目指しました。検証の結果、特定の検証方法において内部ドキュメントを参照した回答精度が80%を超えるなど、確かな成果を得られました。

参考:生成AIチャットボット導入で社内の問合せをサポート 業務改善の取り組みやAI利用のナレッジ蓄積にも貢献

 


・生成AIチャットボットで店舗から本社への問い合わせ対応を効率化(京都トヨペット)

トヨタ車とレクサス車の販売・メンテナンスを手掛ける京都トヨペットでは、エンジニアがメーカー保証や国のリコール制度にもとづく修理業務を行う際、本部への問い合わせが頻繁に発生していました。

しかし、本部の対応は特定の担当者の経験や知識に依存しており、属人化した情報の引き継ぎが課題となっていました。

そこで、各店舗の従業員から本部への問い合わせ対応や資料検索にかかる工数を削減するために、SELF株式会社が提供する生成AIチャットボット「SELFBOT」の導入を決定しました。

SELFBOTは、自由入力での質問に対して高精度な文脈理解と回答が可能です。また、各部署ごとにボットを作成できます。低価格で導入でき、先々の機能拡張にも対応できる点が評価されています。

SELFBOTの導入後、ボットに学習用として登録されたドキュメントが表示されることで、社員が探している資料や情報へ迅速にアクセスできるようになりました。店舗から本部への問い合わせ対応が大幅に効率化されたことに加え、属人化していた知識の引き継ぎに関する課題解決にもつながりました。

参考:店舗→本社への問い合わせ対応を”生成AIチャットボット”で効率化!京都トヨペットの取り組み【導入事例インタビュー】

 


・情報収集業務の約4割を削減(日本空港コンサルタンツ)

日本唯一の空港専門コンサルタント企業である株式会社日本空港コンサルタンツは、国内外の空港や航空に関する情報の収集・翻訳・整理を手作業で行っており、数カ月かかることもありました。そのため、コア業務である企画開発に十分な時間を割くことが難しく、対策を必要としていました。

業務の効率化を模索する中で、株式会社三菱総合研究所が提供する「ロボリサ」に着目し、採用を決定しました。ロボリサの導入により、ウェブサイトの自動情報収集機能を活用し、最新記事の更新情報を自動配信できるようになりました。

また、生成AIを活用した記事要約機能により、手間をかけずに必要な情報を瞬時に把握できるようになりました。

結果、情報収集業務全体で約40%の工数削減に成功しました。特に、膨大な時間がかかっていた、海外の航空業界の最新動向の把握や情報の整理・解析業務の効率化に成功し、本業の企画業務に集中できるようになりました。

参考:生成AIソリューション「ロボリサ」導入事例

 


・イベントの音声データからイベントレポートとSNS投稿文を迅速に制作(エナジード)

中高生向けの探究学習プログラムや企業向け研修サービスを展開する株式会社エナジードは、広報PRやマーケティングコンテンツの制作業務において、人材リソースと予算の双方に課題を抱えていました。担当者のリソースが不足し、日々の制作業務に追われる状況が続いており、本質的な広報戦略の立案が困難になっていました。

こうした課題を解決するため、株式会社unname (アンネーム)が提供する生成AIコンテンツ制作サービス「爆速AIライティング」を採用しました。

爆速AIライティングの導入により、イベントの音声データをもとに迅速にイベントレポートの初稿を生成できるようになりました。また、既存資料を活用して、提言系やサービス紹介など複数のパターンのSNS投稿文を自動作成する仕組みを導入しました。

結果として、コンテンツ制作業務の工数を大幅に削減することに成功しました。また、生成AIの活用を通じて新たなマーケティング・広報PRの手法やアイデアを習得でき、従来よりも多角的な情報発信が可能となりました。

「爆速AIライティング」は無料トライアルも用意されているため、導入費用と導入効果を社内検討する際にも現実に沿った判断が可能です。

参考:株式会社エナジード 音声データ素材から、高品質なイベントレポート初稿を"爆速"納品。

 


・訴求力の高い広告動画制作サービスを提供(博報堂DYホールディングス)

博報堂DYホールディングス、及びグループ企業である株式会社アイレップは独自に開発したアイトラックAI技術を活用した、広告動画制作サービス「H-AI EYE TRACKER」を提供しています。

従来の静止画やテキスト広告に比べて広告動画はより多くの情報を伝えられます。一方で、成果の測定や分析手法が複雑化しています。

特に、顧客獲得と認知・好意形成の両面を効果的に捉える制作プロセスには課題があり、より精度の高いクリエイティブ改善が急務です。

H-AI EYE TRACKERでは、アイトラッキングデータから人の注視傾向を学習したAIが、動画内の視線の集中箇所をヒートマップ形式で予測・可視化します。そして、その結果に基づいて改善したコンテンツを作成します。

結果として、従来必要だったユーザー調査やABテストを不要にし、より効率的なクリエイティブ改善プロセスを構築できます。

参考:博報堂DYグループ独自のAI技術を活用した広告動画の制作サービス「H-AI EYE TRACKER」の提供開始

 

 

・ExcelやWordを用いた定型業務の自動化(ホンダ)

大手輸送機器メーカーのホンダは、2023年10月から「Microsoft Copilot」を全社導入し、ExcelやWordを用いた定型業務の自動化を推進しています。Microsoft Copilotは、AIによってメールやWord文書の作成などを支援するMicrosoft社が提供する生成AIツールです。

Microsoft Copilotの導入後、技術文書の自動作成では、従来3時間要していた作業が15分に短縮され、月間17時間 / 人もの時間削減を実現しました。

また、設計部門では、AIが3Dモデルと仕様書の整合性を自動チェックすることで、設計変更の手戻りを42%も削減することに成功しました。

既にMicrosoft Office環境を社内利用している場合は、生成AI機能であるCopilotを追加することで新しいインフラやシステムの構築が不要です。また、既存ライセンスに追加する形で導入できるため、導入費用を抑えられます。

参考:ホンダ 第二の創業期を加速 Copilot for Microsoft 365 で仕事を変える大規模なスピード導入、決断の理由とは?




・商品説明の自動生成(メルカリ)

メルカリは、2023年10月17日、出品者向けのAIアシスタントサービス「メルカリAIアシスト」の提供を開始しました。メルカリAIアシストは、出品や購入の疑問に対する解決策の提示やメルカリ利用時に最適な行動を促すツールです。

第一弾の機能として搭載した「商品説明文の自動作成機能」では、出品完了までの平均時間を15分から2分に短縮可能です。

また、メルカリの過去情報をもとに商品情報の改善提案を行う「AI提案」を採用した商品は、未採用品に比べ成約率が43%高く、特に中古家電カテゴリでは平均販売期間を3.7日短縮することに成功しています。

参考:メルカリ、生成AI・LLMを活用してお客さまの最適な行動を促す「メルカリAIアシスト」の提供を開始



・チャットボットが問い合わせ対応を自動化(横浜銀行)

横浜銀行は、2024年初旬からディープラーニングとNLP(自然言語処理)を活用した「AI ヘルプデスク for Microsoft Teams」を全行員向けにリリースしました。株式会社PKSHA Workplaceが開発した「AI ヘルプデスク」は、以下機能を連携することで、Microsoft Teams上で社内ヘルプデスクの自動化を実現するサービスです。

  • AI対話エンジン
  • FAQ自動生成
  • 問い合わせ管理機能
  • 有人連携

導入背景には、次世代SFA・CRM / 融資審査システムの導入に伴い、行内からの問い合わせ急増が予測されたことが関係しています。AIチャットボット単独では対応できない問い合わせも想定され、AIから有人対応へシームレスに連携できる仕組みが必要だったのです。

そこで、AI ヘルプデスクを照会対応業務の1次照会に導入したところ、FAQの検索時間を85%削減し、特に法務関連の照会対応効率が3倍向上しました。照会対応業務以外でも効果を発揮し、融資審査においてはAIが提案する新規商品のうち、38%を商品化することに成功しています。

参考:横浜銀行が「AI ヘルプデスク for Microsoft Teams」を導入



・建物の基本設計を支援(大林組)

日本を代表する総合建設会社である「大林組」は、米国シリコンバレーのSRI Internationalと建築設計を効率化する「AiCorb」(アイコルブ)を共同開発しました。

従来の建築設計では、設計者が手作業でスケッチやCADを使用してデザイン案を作成し、顧客の要望に合わせるために何度も再検討する必要がありました。

しかし、AiCorbは幅広いデザインパターンを学習しており、建物のアウトラインに対するスケッチデータからファサードデザインを瞬時に生成できます。さらに、設計者向けプラットフォーム「Hypar」と連携することで、建物のボリュームデザインも含めた一貫した設計プロセスを実現できます。

結果として、顧客との迅速な合意形成を実現し、建物の基本設計を10分の1の時間で作成することが可能となりました。また、1つの基本コンセプトから200以上のバリエーションを生成可能で、顧客満足度が92%に達しています。

参考:建築設計の初期段階の作業を効率化する「AiCorb®」を開発



・独自のタンパク質構造解析AIに基づく創薬(富士通)

富士通株式会社と国立研究開発法人理化学研究所は2022年5月に共同研究を開始し、2023年1月に生成AIを用いた新たなタンパク質構造解析AIを開発しました。

タンパク質構造解析AIでは、標的タンパク質の大量の電子顕微鏡の画像をもとに、時間変化によってそのタンパク質がなりうる立体構造とその割合を生成します。そして、推定された割合から標的タンパク質の構造変化を予測します。

最終的にはタンパク質の構造変化を3D密度マップの連続的な変形として再現することが可能です。この技術によって、タンパク質構造解析AIの創薬候補物質の発見速度は、従来手法に比べ10倍以上向上しており、細菌やウイルスなどの標的に結合する薬剤の設計プロセスの迅速化に大きく貢献すると期待されています。

2024年にはAIが提案した化合物のうち2つが臨床試験段階に到達し、従来の開発コストの5分の1で新薬開発を実現している点が大きな成果として注目されています。

参考:富士通と理化学研究所、独自の生成AIに基づく創薬技術を開発 電子顕微鏡画像からタンパク質の広範囲な構造変化の予測を実現



3. 生成AIの事業導入方法


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生成AIを事業導入する際の具体的な手順は、以下のとおりです。

  1. 導入目的の明確化:
    自社の課題や業務改善のポイントを整理し、生成AI導入の目的を明確に定める
  2. 費用対効果の分析:
    初期投資とランニングコストを見積もり、期待される効果や収益を予測する。短期的・長期的なROIの検討が含まれる。
  3. 生成AIモデルの選定:
    用途や業務内容に応じた最適なAIモデルを選び、カスタマイズの必要性も検討する
  4. データ収集~アノテーション:
    データを集め、生成AI用にアノテーションを行う
  5. インフラ・セキュリティの準備:
    クラウド環境の整備やデータ保護のためのセキュリティ対策を実施する
  6. 小規模導入:
    営業部門のみなどと小規模なプロジェクトで試験的に導入し、効果や課題を検証する
  7. 導入:
    実運用フェーズに移行し、システムを全社展開する
  8. 効果検証:
    導入後の効果を定期的に評価し、必要に応じた改善策を講じる

各ステップで慎重に検証を進めることで、生成AIの導入効果を高められます。

 


4. まとめ



生成AIは、今回紹介した導入事例にあるように、企業におけるサポート業務や広告制作、情報収集など多岐にわたる業務領域で活用され、業務の効率化とクリエイティブなアウトプットをサポートしています。

しかし、生成AIの導入効果を確実なものとするためには、データの著作権対策やセキュリティ保護などが必要です。

 

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