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画像アノテーションのやり方は?手法や手順・注意点・外注か内製かについて徹底解説!

作成者: 株式会社Nextremer|Aug 27, 2024 4:26:00 AM

 


AIの活用が普及し、画像処理や動画解析などが実用化されるようになりました。実際の業務でのAI活用を検討している方もいるでしょう。

さまざまな分野で活用されている画像解析を行うには、画像アノテーションのやり方を理解しなければいけません。しかし、アノテーションを知っていても、具体的な手順や注意点、導入方法など、画像アノテーションのやり方を理解している方は多くないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、画像アノテーションの手法ややり方、ツール活用の注意点などを解説していきます。アノテーションの外注・内製についても解説しているので、本記事を読めば画像アノテーションの具体的なやり方を理解できるでしょう。

社内業務での活用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。


 

 

 

【目次】

  1. 画像アノテーションの手法
  2. 画像アノテーションのやり方5ステップ
  3. 画像アノテーションを実施する際の3つの注意点
  4. 画像アノテーションは外注?内製?
  5. まとめ

 

 

1. 画像アノテーションの手法


画像アノテーションとは、AIが画像処理を行うために必要となる教師データを作成する作業工程を指します。この教師データの種類には、主に以下の5つがあります。

  • 物体検出(バウンディングボックス)
  • 領域抽出(セグメンテーション)
  • キーポイント検出(キーポイントアノテーション)
  • 画像分類

それぞれの種類について解説します。



物体検出(バウンディングボックス)

物体検出(バウンディングボックス)は、画像内の特定の物体を識別し長方形の枠で囲む手法です。物体検出は、自動運転やセキュリティカメラのようなアプリケーションで広く実用化されて利用されています。

バウンディングボックスは物体の存在を示すだけでなく、物体の位置やサイズを把握するのに役立ちます。

物体どうしが部分的、または完全に重なっている場合や背景が複雑な場合にバウンディングボックスによる検出はうまくいかないことがあります。これらの課題を克服するためには高度なディープラーニングモデルが使用されます。

バウンディングボックスとは?YOLOでどう使われる?メリット・デメリット、物体検出手法を徹底解説



領域抽出(セグメンテーション)

領域抽出(セグメンテーション)は、画像を複数の領域(セグメント)に分割し、それぞれの領域にラベルを付ける手法です。医療における画像解析や自動運転車の道路標識認識などで、効果的な役割を果たします。

セグメンテーションは物体の輪郭を正確に捉え、形状や面積を分析することができます。ピクセル単位でのラベリングを行うため、物体検出(バウンディングボックス)ではできない複雑な画像の解析も可能です。

セグメンテーションには主に以下の3種類があります:

  • セマンティックセグメンテーション
    画像の各ピクセルにクラスラベルを割り当てる

  • インスタンスセグメンテーション
    同じクラス(種類)の個別の物体を区別する

  • パノプティックセグメンテーション
    セマンティックセグメンテーションとインスタンスセグメンテーションを組み合わせたもの



キーポイント検出(キーポイントアノテーション)

キーポイントアノテーションは、画像内の特定のオブジェクトの特徴的な位置や点にラベルを付ける手法です。物体の形状や構造の特徴、姿勢の変化を正確に捉えるために使用されます。

人間の関節や骨格を解析する姿勢推定や目、鼻、口などの顔の特徴点を検出する顔認識でキーポイントアノテーションが活用されています。

ヘルスケアやスポーツ業界で利用されるアノテーション技術で、姿勢やフォームを改善する役割を果たしています。



画像分類

画像分類は、画像全体を特定のラベルやクラスに分類する手法です。画像内の特徴を抽出して画像の内容を理解し、事前に設定したカテゴリに割り当てます。

例えば、犬の画像に対して「これは犬の画像」とラベルを付与します。画像分類では、データセットに含まれる多様な特徴を学習することで、さまざまな画像に対して高い精度で分類を行うことができます。

画像分類は、製品の欠陥判定・植物の種類判別や健康状態の判定、監視カメラの不審シーン検出などで活用されます。







2. 画像アノテーションのやり方5ステップ

 

画像アノテーションのやり方は、以下の5つのステップがメインとなります。

  1. 対象の画像データの収集
  2. アノテーションツールの選定
  3. アノテーションルールの設定
  4. アノテーションの実施
  5. アノテーションデータの出力・レビュー


各ステップについて解説します。

 

1. 対象の画像データの収集

画像アノテーションを始めるには、対象となる画像データの収集から行います。例えば自動運転での活用を想定する場合、道路や交通標識の画像、車内から撮影した画像などが対象データとなります。

画像データを収集する段階では、十分な量と質の画像を確保することが重要です。そうすれば、以降の画像アノテーション作業がスムーズに進行しますし、完成後のAIシステムの精度が上がります。



2. アノテーションツールの選定

画像データを収集したら、画像アノテーションに使用するツールを選定する必要があります。目的に適したツールを選ぶことで、画像アノテーション作業の効率と成果を最大にすることが可能です。

アノテーションツールには、無料のオープンソースツールや商用ツールがあり、それぞれ機能や使いやすさが異なります。オープンソースツールは無料で利用できる一方で、使える機能は限られているものが多いです。商用ツールは専用サポートや高度な機能が提供されることが多いものの、コストがかかります。

画像アノテーションで使用するツールについては、目的やプロジェクトの規模に応じて最適なものを選定しましょう。


3. アノテーションルールの定義

アノテーションツールを選定したら、アノテーションルールの設定を行います。画像内でラベル付けする対象やエリアを定義する作業で、画像処理によって検出するデータを決定する工程です。

例えば、姿勢推定、顔認識、物体検出など、どのようなルールでアノテーションを行うかを決定します。目的に応じて、設定するポイントの種類や数が異なります。ラベリングの方法や分類カテゴリーもこのステップで決定します。

設定が具体的で正確であるほど、アノテーション作業が効率的になり、AIモデルの精度向上につながります。プロジェクトの目的に応じて、適切なアノテーションルールが必要です。



4. アノテーションの実施

ポイントの設定が完了したら、アノテーション作業を開始します。選定したアノテーションツールを使用して、適切なラベルを付与します。

アノテーション作業は、ツールによって自動・半自動・手動と操作方法が異なります。

  • 手動アノテーション
    人間のアノテーターが直接ラベル付けを行う
  • 半自動アノテーション
    AIツールの支援を受けながら人間が確認・修正を行う
  • 自動アノテーション
    AIモデルが自動的にラベル付けを行う


アノテーションの質と効率を向上させるためには、作業途中でどうしても出てくるあいまいなケースに対して統一した判断基準を適用する必要があります。そのため、完全な自動化はまだ難しいのが現状です。

また、機密性の高い画像データを扱う場合、適切なセキュリティ対策を講じなければなりません。アノテーションの実施までの準備を整えておくことでスムーズに作業できるでしょう。


5. アノテーションデータの出力・レビュー

アノテーション作業が完了したら、処理データの出力とレビューを行います。ここでは、ツールからアノテーションデータを適切なフォーマットでエクスポートします。一般的なフォーマットには、COCOやPascal VOC、YOLOなどがあります。

その後、エクスポートしたデータをレビューし、ラベルの誤りや不正確なアノテーションがないか確認します。レビューはアノテーションの精度を確保・維持するために欠かせません。複数のアノテーターによる相互チェック、または専門のQAスタッフがアノテーション品質を検証します。

最終的に、レビューを通過したデータをAIモデルの訓練に活用し、アノテーション精度の向上に役立てます。

 

 

3. 画像アノテーションを実施する際の3つの注意点


画像アノテーションを実施するにあたって、以下のような注意点があります。

  • 数とバリエーションが豊富なデータセットを用意する
  • アノテーション精度を維持する
  • 同じ設定で画像アノテーションを行う

これらの注意点に気を付けることで、画像アノテーションを効率的に進めることができます。それぞれの注意点について解説します。

 

数とバリエーションが豊富なデータセットを用意する

画像アノテーションのデータセット収集では、バリエーション豊富なデータを大量に用意しましょう。異なる環境や条件下で撮影された多様な画像をデータセットとして学習することで、モデルの汎用性と精度を向上させることが可能です。



アノテーション精度を維持する

画像アノテーションは継続的に行われる作業ですので、中長期にわたって精度を維持する工夫が必要です。アノテーション精度が安定しないと、AIモデルの認識精度にムラが生じてしまいます。

アノテーション精度を維持するには、チーム内で統一された基準に基づき画像処理を行うためのガイドラインを策定する必要があります。その上で、チーム内での定期的なレビューとフィードバックを実施し、アノテーションのミスや不一致を早期に発見・修正するのが効果的です。

また、複数のアノテーターによるクロスチェックを行うことで、作業者のバイアスや誤りを減少させることができます。これらの運用・管理によって、アノテーションデータの一貫性と信頼性が確保され、AIモデルの性能を維持できます。



同じ要件・ルールで画像アノテーションを行う

画像アノテーションを行う際には、一貫した設定で要件やルールでラベリングすることが重要です。アノテーションの要件・ルールを毎回変えてしまうと、検出範囲や種類も変更され、一貫性のあるデータではなくなってしまいます。

そのため、ラベルの定義やルールを設定し、その条件を基に画像データをアノテーションする必要があります。これによりアノテーションされたデータの一貫性が保たれ、データ解析やモデル訓練において高い精度が期待できます。

アノテーションポイントの要件・ルールが決まった段階で、一通りのデータセットをアノテーションするようにしましょう。その結果を基に誤りや検出できないポイントなどが発見されれば、設定を変更して再度アノテーションするのが良いでしょう。

 


4. 画像アノテーションは外注?内製?

 

画像アノテーションを行う際に悩みの種となるのが、外注と内製のどちらを選ぶかです。結論として、画像アノテーションは外注することをおすすめします。画像アノテーションを外注することには以下のメリットがあります。


品質の担保

画像アノテーションを外注するメリットとして、専門知識を持つプロフェッショナルによる高品質なアノテーションが期待できる点が挙げられます。アノテーション代行会社は豊富な経験と専用ツールを活用して、精度の高いアノテーションを提供してくれます。

特に、医療系画像など特殊なアノテーションでは、高品質のアノテーションを行うために専門性が必要とされます。


スケーラビリティ

外注によってスケーラビリティが確保され、大量の画像データにも対応できます。内製ではリソースの制約から対応できない場合でも、画像アノテーションを実施することが可能です。これによって社内でのリソース負担が軽減されるでしょう。


人的リソースが確保できれば内製も可能

自社で画像アノテーションシステムを内製するには、AI技術に優れた人材を確保する必要があります。アノテーション基準の変更やデータ収集を得意とする人的リソースがあれば、外注する必要はないかもしれません。

内製のメリットは、アノテーション作業を直接管理できるため、システムのカスタマイズが容易になることです。また、社内のノウハウが蓄積され、アノテーションに関するスキルや知識が組織内に蓄えられます。これにより、将来的なプロジェクトや他のAI関連業務にも対応できるリソースを育成することも可能です。

しかし、日本ではAIの領域に長けた人材が不足していて、高品質な画像アノテーションが可能なシステムを構築する人材の確保は困難です。内製するにしても、AI人材を獲得するのに外注以上のコストがかかるかもしれません。

日本におけるAI人材の現状を踏まえると、画像アノテーションは外注するべきと言えるでしょう。

 

 

 

5. まとめ

画像アノテーションはAIに画像認識・動画認識等を実現するための作業で、省人化や人手不足の解消に向けたAI活用には欠かせない作業です。     

画像アノテーションのやり方が分からないと、AI技術を活用した画像分析や自社でのツールの活用がスムーズに行えません。実務での画像アノテーションの活用を検討している     方は、手順や手法、注意点を理解しておく必要があります。

画像アノテーションを外注する場合は、さまざまな要素から代行会社を評価し、目的に適した製品を提供してくれる会社を選びましょう。